Azure Portalのログインと各種機能、アカウントをより安全に管理する方法まで解説

「Azure Portalでは何ができる?」
「Azure Portalにログインする方法を知りたい」
Azure Portalはマイクロソフトが提供しているサービスで、Azureで提供されているさまざまなサーバーやアプリケーションを管理できます。
「Microsoft Azure」へアクセスし、ユーザーIDとパスワードを入力します。GitHubのアカウントでのログインも可能です。
本記事では、Azure Portalの概要やメリット、ログイン後の操作などを解説します。ログインをより安全にする方法まで解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
Azure Portalとは?
Azure Portalとはマイクロソフトが提供するクラウドサービスで、Azureを管理するためのオンライン上のツールです。Azureではサーバーやアプリケーションを提供しており、そのサービス形態はIaaSとPaaSに分類されます。
IaaSについては、「laaSとは?特徴やメリット、主なサービスについて解説」で詳しく解説しています。
PaaSについては、「PaaSとは?意味・メリット・サービスを選ぶポイントを解説」で詳しく解説しています。
多くのAzureを利用していると、管理が複雑になってしまいます。そこで、Azure Portalを使うことで多くのアプリケーションを一元管理でき、管理にかかるコストを削減可能です。
例えば、あなたが多くのアトラクションがある遊園地の管理者だったとします。すべてのアトラクションが正常に動いているか、最後に点検したのはいつかを知るために、一つずつアトラクションを周るのは大変です。
しかし、すべてのアトラクションの稼働状況やデータが一覧で把握できる管理ツールがあれば、一つずつ見に行く必要はありません。Azure Portalは、この管理ツールの役目を果たします。
Azure Portalでは全てのAzureサービスを一覧表示し、稼働状況を確認したり管理したりできます。また、クラウドサービスのためダウンロードの必要はなく、いつでもどこでもサービスが利用できるため非常に便利なサービスです。
Azure Portalのメリット
本章では、Azure Portalのメリットについて解説します。Azure Portalの主なメリットは、下記の6つです。
- 専門知識がなくても使いやすい
- アクセス制御の機能が豊富
- さまざまなデバイスに対応
- コストが可視化される
- アプリケーション管理を効率化
- ダッシュボードをカスタマイズ可能
Azure Portalを使いこなすためにも、どんなメリットがあるのかを把握しておきましょう。
(1)専門知識がなくても使いやすい
Azure Portalは、ユーザーが簡単にサービスを利用できるように設計されています。これは専門知識がなくても直感的に操作しやすいという意味で、他のサービスでも馴染みのあるUIで操作可能です。
プログラムを組んだりコードを打ち込んだりするコマンドラインツールでは、専門知識が必要だったり経験が必要だったりします。
ただ、Azure Portalはウェブベースの統一されたコンソールです。そのため、高度な専門知識がなくても扱いやすく、コマンドラインツールの代替手段にもなります。
シンプルなWebアプリから複雑なクラウド展開まで対応できるため、Azureサービスを管理するならAzure Portalが適切と言えるでしょう。
(2)アクセス制御の機能が豊富
Azure Portalでは、「Role-Based Access Control (RBAC)」という機能を用いて、ユーザーやグループに対するアクセス権限を細かく設定可能です。これにより、必要な人だけが必要なリソースにアクセスできるように管理できます。
アクセス制御とは、データやシステムにアクセスできる人を制限・限定する方法です。アクセス制御することにより、重要なデータを保護できます。
不特定多数の人がアクセスできる状況にあると、サイバー攻撃を受ける可能性が高まってしまいます。近年はサイバー攻撃の手口も巧妙化しているため、アクセス制御は必須と言っても過言ではありません。
アクセス制御については「アクセス制御とは?基本機能から実装の目的、導入時に選ぶポイントまで解説」で詳しく解説しています。アクセス制御の機能や目的、種類について解説しているので、ぜひ参考にしてください。
例えば、管理者には設定を変える権限まで渡しても大丈夫ですが、メンバーにまでその権限を渡すと管理が大変になり、責任の所在も不透明になってしまいます。そのため、管理者とメンバーで与える権限を変更できれば非常に便利なのです。
Azure Portalはアクセス制御の機能が豊富なため、メンバーごとに権限を変更可能です。これはセキュリティレベルの維持にもつながるため、メリットと言えます。
(3)さまざまなデバイスに対応
Azure Portalはウェブベースのサービスのため、インターネットに接続されたあらゆるデバイスからアクセスできます。レスポンシブデザインに対応しているため、パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットからもアクセス可能です。
アプリもiOS、Androidの両者に対応しているため、ほとんどのユーザーがアクセスできると言ってもいいでしょう。
さまざまなデバイスに対応しているということは、時間や場所に関係なくアクセスできるということです。つまり、同じ時間、同じ場所に集まらなくても仕事ができます。
テレワークも浸透し、同じ場所に集まらずに仕事をするのが当たり前になった現代では、非常に便利なツールと言えるでしょう。
テレワークは非常に便利ですが、リスクも存在します。情報の盗聴やウイルス感染など、気を配らなければならないことは多いです。
テレワークのリスクについては「テレワークに伴う5つリスクと9つのセキュリティ対策を解説」で詳しく解説しています。対策についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
(4)コストが可視化される
Azure Portalでは自動的に現時点での料金が計算され、それに基づき月末までの使用量を概算してくれます。Azure Portal内のサービスは、基本的に使用した分だけ料金がかかる従量課金制です。
そのため、コストが可視化されることによって準備ができ、不要なコストを抑える役割も果たしてくれます。
また、予算を設定して、使用料が予算を超えないように警告を受け取るような設定も可能です。コストの管理がしやすいのは、非常にうれしいポイントです。
(5)アプリケーション管理を効率化
Azure Portalでは、作成したアプリケーションの状態を一覧で確認したり、アプリケーションごとのリソース使用量を閲覧可能です。これにより、一つひとつのアプリケーションを個別に管理する手間を省けます。
アプリケーションの中にはストレージやウェブアプリ、仮想サーバーなどが含まれているため、通常であれば管理が難しいです。しかし、Azure Portalを使えば同じ画面で一元管理できるため、管理が煩雑にならず、業務の効率化も見込めます。
不要になったアプリケーションは管理画面から削除できるため、コスト管理にも役立つと言えます。
(6)ダッシュボードをカスタマイズ可能
Azure Portalのダッシュボードは、各ユーザーが自分の作業スタイルやニーズに合わせてカスタマイズできます。例えば、頻繁にアクセスするリソースをピン留めしたり、ダッシュボードにグラフや表を表示させたりなどです。
イメージとしては、スマートフォンのホーム画面のようなカスタマイズが可能です。タイル型で見やすく、タイルの大きさも変えられるため、業務の効率化も期待できるでしょう。
Azure Portalログイン後操作
本章では、Azure Portalへログインした後の操作について、順を追って解説します。主なAzure Portalへログインした後の操作は、下記4つです。
- Webアプリの作成
- 仮想マシンのデプロイ
- データベースの設定
- データ格納・バックアップ・アーカイブ
それぞれ画像付きで解説しますので、詳しく見ていきましょう。
(1)Webアプリの作成
Webアプリを作成するには、Azure Portalの左側にあるメニューから「リソースの作成」を選択します。そこから、作成したいWebアプリの種類を選択しましょう。
出典:Azure で App Service プランを管理する
次に、アプリに必要な下記項目の設定を行い、アプリのデプロイメントを開始します。
出典:Azure で App Service プランを管理する
デプロイメントが完了したら、プレビューで確認しましょう。
(2)仮想マシンのデプロイ
仮想マシンのデプロイは「リソースの作成」を選択し、「仮想マシン」を選択します。
その後、「作成」→「Azure 仮想マシン」→「仮想マシンの作成」と進み、「インスタンスの詳細」で下記項目を入力します。
出典:クイック スタート:Azure Portal で Windows 仮想マシンを作成する
あとは、ユーザー名とパスワードを入力して作成ボタンを押下すれば作成完了です。
(3)データベースの設定
データベースを設定するには、「リソースの作成」を選択し、適切なデータベースを選びます。
出典:クイックスタート: 単一データベースを作成する - Azure SQL Database
その後、下記項目を入力します。
出典:クイックスタート: 単一データベースを作成する - Azure SQL Database
最後にセキュリティの設定をしたら、「作成」ボタンでデータベースを設定可能です。
(4)データ格納・バックアップ・アーカイブ
データの格納、バックアップ、アーカイブも、Azure Portalを通じて容易に管理可能です。例えば、Azure Backup サービスでは、下記のようにさまざまな機能があります。
他のサービスとも連携しており、非常に使いやすいと言えるでしょう。
Azure Portalログインをより安全にする方法
本章では、Azure Portalログインをより安全にする方法を解説します。Azure Portalログインをより安全にする主な方法は、下記3つです。
- 安全なパスワードを設定する
- 多要素認証を取り入れる
- SSOやアカウント管理ツールで管理する
セキュリティの問題は無視できないため、確認しておきましょう。
(1)安全なパスワードを設定する
パスワードはアカウントの最初の防衛線となるため、安全で推測しにくいものを設定しましょう。その際、個人情報(生年月日や名前など)や意味のある英単語(passwordやjapanなど)は避けてください。
ただ、わざわざ安全なパスワードを設定しても、同じパスワードを使いまわしたりふせんに書いておいたりすると意味がなくなってしまいます。パスワードの管理方法に注意を払うようにしましょう。
安全なパスワードの作り方については、「安全なパスワード作成の5つのポイント、間違った3つの習慣まで解説」で解説しています。パスワードの管理に役立つツールも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
(2)多要素認証を取り入れる
多要素認証を取り入れるとログイン時のハードルが高くなり、サイバー攻撃からアカウントを守りやすくなります。多要素認証はログイン時にユーザー名とパスワード以外に追加の認証要素を要求することで、アカウントの安全性を高める方法です。
例えば、SMSメッセージによる認証や秘密の質問、顔認証などです。セキュリティリスクを考えると、多要素認証は取り入れるべきと言えます。
多要素認証に関しては「多要素認証とは?必要性と導入時のポイント3つを解説」で詳しく解説しています。二段階認証・二要素認証との違いなども解説しているので、ぜひ参考にしてください。
(3)SSOやアカウント管理ツールで管理する
SSOやアカウント管理ツールの導入も、ログイン時のセキュリティを高めるのに有効です。
SSOはユーザーが一度だけ認証すれば、複数のシステムやサービスにアクセスできるようにするシステムです。これにより、ユーザーは複数のパスワードを覚える必要がなくなり、IT部門はアカウントの管理を一元化できます。
SSOについては「シングルサインオン(SSO)とは?基本やメリット・デメリットをわかりやすく解説」で詳しく解説しています。SSOの選び方も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
また、アカウント管理ツールを利用すると不要なアカウントが放置されることを防ぎ、組織全体のセキュリティを強化できます。
「メタップスクラウド」では、そんなアカウント管理をはじめとしたSaaS管理が可能です。管理業務の効率化やセキュリティレベルの向上が期待できるため、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
Azure PortalはAzureを管理するためのオンライン上のツールで、多くのアプリケーションを一元管理でき、管理にかかるコストを削減できます。専門知識がなくても使いやすく、さまざまなデバイスからアクセス可能です。
操作も直感的にできるため、初めての方でも操作できます。ログイン方法や操作については本記事で紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
また、ログインをより安全にする方法として、SSOやアカウント管理ツールの導入が挙げられます。これらは「メタップスクラウド」で管理可能なため、アカウント管理で悩んでいる場合はぜひチェックしてみてください。
メタップスクラウド編集部
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