パスワードの使い回しは絶対にダメ!安全なパスワードの条件とは?

「パスワードって使い回して良いの?」
「安全なパスワードの定義って?」
「パスワードはどう管理するのが適切?」
危険だとはわかっていてもついついやってしまうパスワードの使い回し。
情報量が増加していく近年、セキュリティ対策という観点が重要です。
そこで本記事では、以下の情報をまとめました。
・パスワードを使い回す危険性
・安全なパスワードの条件
・適切なパスワード管理方法
・サイバー攻撃の種類と方法
本記事を読むことで、パスワードを使い回す危険性を把握でき、安全なパスワードを適切に管理できるようになるでしょう。
ぜひとも参考にしていただければ幸いです。
パスワードの使いまわしは危険
結論から申し上げますと、パスワードの使い回しは“非常に危険”です。
パスワードを使い回していた場合、仮に1つのサービスでパスワードが盗まれたとすると、芋づる式に他のサービスにもログインされてしまう恐れがあります。
たとえば、1つのパスワードを攻撃者が入手し、ランダム形式で他のWebサイトへログインを試みたとします。
パスワードを使いまわしていれば、他のサイトにもログインできてしまうのです。
特に、銀行やクレジットカードなど、金融系のサイトは狙われやすい傾向にあります。
芋づる式の被害を防ぐためにはパスワードを使い回さないことが重要です。
「85.7%」の人がパスワードを使いまわしている
引用元:-パスワードの利用実態調査 2020- 新型コロナウイルス拡大前後で 約2割がネット上で機微情報の取り扱いが増加 | トレンドマイクロ (trendmicro.com)
トレンドマイクロが2020年に実施した調査によると、85.7%の人が同じパスワードを使い回していると回答しました。
パスワードを使い回す一番の理由は、「異なるパスワードを設定すると忘れてしまう」からと71.4%の人が回答しています。
引用元:-パスワードの利用実態調査 2020- 新型コロナウイルス拡大前後で 約2割がネット上で機微情報の取り扱いが増加 | トレンドマイクロ (trendmicro.com)
何でもネットで登録できる時代になり、1人が使うID・パスワードの量は大幅に増えました。
パスワードを使い回しているユーザーを狙った攻撃も増加しています。
不正アクセスや情報流出の被害を防ぐためには、パスワードを使いまわさず、安全なパスワードを作成し、適切にパスワードを管理することが大切です。
安全なパスワードの条件4つ
安全なパスワードの条件は下記の4つです。
・推測されやすい文字列を避ける
・文字列を長めに設定する
・複数の文字・数字・記号を組み合わせる
・同じパスワードを使いまわさない
1つずつ見ていきましょう。
(1)推測されやすい文字列を避ける
安全なパスワードの条件の1つに、推測されやすい文字列を避けることが挙げられます。
たとえば、「1234567」や「password」といった単純なパスワードは、推測されやすく危険です。
また、単語も推測される可能性があるので避けた方が無難でしょう。
おすすめは、文章でパスワードを作成することです。
好きな言葉や歌詞をパスワードにすると、それだけで推測されにくくなります。
例) continuity is power(継続は力なり)
(2)文字列を長めに設定する
文字列が長ければ長いほど、パスワードの安全性は増します。1文字増えるだけで解読コストが高くなるからです。
ただし、あまりに長すぎるパスワードだと入力や管理に手間がかかるので、最低でも12文字以上の文字列が望ましいです。
(3)複数の文字・数字・記号を組み合わせる
複数の文字・数字・記号を組み合わせることで、パスワードの安全性は一気に高くなります。
解読コストが高くなり、強固なパスワードとなるでしょう。
近年では、文字・数字・記号を組み合わせないとパスワードを作成できないサイトも増えています。
(4)同じパスワードを使いまわさない
同じパスワードを使いまわさないことは、安全なパスワードを作るための最低条件です。
パスワードを使い回していると、パスワードが流失した際のリスクも一気に高くなります。
パスワードを使い回さないだけで被害を最小限に抑えやすくなるでしょう。
安全なパスワードの条件として何より大切なのは、同じパスワードを使い回さないことです。
適切にパスワードを管理する方法2選
適切にパスワードを管理する方法は下記の2つです。
・パソコンの中で保管する
・パスワード管理サービスを活用する
1つずつ見ていきましょう。
(1)「パソコンの中で保管する」
パスワードをパソコンの中で管理する方法もあります。
パソコンの中で管理する場合、ExcelやWordに入力して保管するのは避けることをおすすめします。
パソコンでパスワードを管理するのであれば、安全性が高いパスワード付きの電子ファイルで保管しましょう。
(2)「パスワード管理サービスを活用する」
パスワードを適切に管理する手段として、IDとパスワードの管理が可能なIDaaSサービスを利用する方法もあります。
「パスワードが覚えられない…」といった人でも、IDaaSサービスを使えば自動入力できるようになります。
利用者は複雑なパスワードを覚える必要がありません。
IDaaSサービスを利用する際は、そのサービスが信頼できそうか確認してから利用するようにしましょう。
パスワードを盗み出す攻撃者の手口4つ
パスワードを盗み出す攻撃者の主な手口として、下記4つの攻撃パターンが考えられます。
1.辞書攻撃
2.リスト型攻撃
3.ブルートフォース(総当たり)
4.リバースブルートフォース(逆総当たり)
1つずつ見ていきましょう。
(1)辞書攻撃
辞書攻撃とは、文字列や単語を大量に使って不正ログインを試みる方法です。
よく使われている文字列のリスト(辞書)を参考に、手あたり次第攻撃します。
単調で推測されやすいパスワードほど盗まれやすくなるでしょう。
また、辞書攻撃は成功率が高く、リストは攻撃者の間でよく流通しているのも特徴的です。
(2)リスト型攻撃
リスト型攻撃とは、流失したパスワードを使って他のサイトにもログインを試みる方法です。
パスワードを使い回している人が多いことに目を付けた手法であり、リスト型攻撃は大きく増えています。
パスワードは盗まれても分かりません。被害を最小限に抑えるためには、同じパスワードを使い回さないことが大切です。
(3)ブルートフォース(総当たり)
ブルートフォース(総当たり)とは、総当たりでパスワードの突破を狙う方法です。
たとえば、パスワードが5ケタの数字なら、「12345」や「11111」など総当たりで突破できるまで入力します。
なお、パスワードの入力を何度か間違えると自動的にロックがかかる(アカウントロック)サイトも多く、アカウントロックはブルートフォース対策として導入されています。
(4)リバースブルートフォース(逆総当たり)
リバースブルートフォース(逆総当たり)とは、パスワードを固定し、ID部分の総当たりで突破を狙う方法です。
リバースブルートフォースでは、ユーザーのIDを変更しながらログインを試みるので、アカウントロックで攻撃を防げない可能性もあります。
リバースブルートフォースはアカウントロックをすり抜けられる攻撃方法です。
まとめ
本記事では、パスワードを使い回す危険性や安全なパスワードの条件、適切なパスワード管理方法などを解説しました。
パスワードの使い回しは非常に危険で、一つのパスワードが流出すると他のサービスにも不正ログインされ、甚大な被害が出てしまう可能性もあります。
被害を最小限に抑えるためにも、パスワードの使い回しは絶対に避けましょう。
パスワードの管理が面倒だという方は、パスワード管理アプリの利用も検討してみましょう。
決して、「自分は大丈夫」だと思わないようにしてくださいね。
この記事が少しでも参考になったなら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
メタップスクラウド編集部
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