SaaS管理の重要性とは?3つの選定ポイントからデメリットまで解説

「SaaS管理ツールは本当に必要?」
「SaaS管理を導入するなら、デメリットも知っておきたい」
「SaaS管理ツールの比較ポイントを明確にしたい」
近年、企業のSaaS導入数が爆発的に増えています。
増えすぎたアカウントを適切に管理するため注目されているのが、SaaSを一元管理する「SaaS管理ツール」です。
SaaS管理ツールはSaaS管理を効率化できますが、選び方を間違えると、余計な手間がかかる可能性もあります。
そこで本記事では、自社にあったSaaS管理ツールを選べるようになるため、以下の情報をまとめました。
- SaaS管理ツールとはなにか
- SaaS管理ツールのメリット・デメリット
- SaaS管理ツールの選び方
- メタップスクラウドの特徴
本記事を読めば、メリットやデメリットを知った上で、自社にあったツールを選ぶ基準が明確になります。ぜひ最後までご覧ください。
そもそもSaaSとは何なのかについては、「SaaSとは?特徴やメリット、主なサービスについて解説」 で詳しく解説しています。ぜひ併せてお読みください。
SaaS管理とは
SaaS管理ツールとは、利用しているSaaSを一元管理するツールです。
ユーザーの利便性向上や、管理コストの削減が期待できます。
提供されるサービスごとに機能は異なりますが、以下の機能の一部または全部を備えているケースが多いです。
- SaaSコストの可視化
- アカウントの登録・削除
- アカウントごとの権限設定
- シングルサインオン(SSO)
SaaS管理ツールもまたSaaSであるため、時代やニーズに合わせて機能もアップデートされていくでしょう。
SaaS管理ツールができた背景

SaaS管理ツールができた背景には、働き方の多様化や、SaaS導入数の増加といった、時代の流れがあります。2020年以降リモートワークが増加し、それにともなってSaaSの利用数も増加しました。
参照:株式会社メタップス「SaaSの利用実態調査」より
弊社がおこなった独自の企業調査では、2020年のコロナウイルス流行以降、SaaS導入数が増加したと答える企業は60%を超えています。
SaaSが増えると同時に、退職者のアカウントの削除漏れによる情報漏洩や、使用していない有料アカウントのコストの無駄が問題となっています。
同調査では、自社に導入したSaaSを「管理できていない」と答えた企業は52%となりました。
参照:株式会社メタップス「SaaSの利用実態調査」より
2社に1社は、増え続けているSaaSを管理できておらず、コスト面やセキュリティ面で問題のある状況となっています。
今後さらに副業人材の活用や社外のプロフェッショナルへの外注化が増えれば、SaaS導入数の増加も加速することでしょう。増え続けていくSaaSを適切に管理するため、SaaSを一元管理できるツールが求められるようになりました。
SaaS管理ツールを使用するメリット
SaaS管理ツールには、いくつかのメリットがあります。
代表的なものは、次の3つです。
- コスト削減
- 利便性の向上
- セキュリティ
それぞれ詳細を解説します。
(1)不要なアカウントを停止してコストカットを実現
参照:株式会社メタップス「はじめてのSaaS管理」より
SaaS管理ツールを使えば、有料のSaaS数を最小限に抑え、コストカットができます。
だれがどのSaaSを使用しているのか、現況を把握し、休眠中のアカウントを停止できるからです。
入社や退社、部署の異動にともなってアカウントの管理は複雑になり、実際には使われていない有料アカウントが発生してしまいます。
SaaS管理ツールを導入すれば、休眠中のアカウントを停止して、無駄なコストをカットできます。
また、契約更新時期の通知によって意図しない契約更新を防止できるのもメリットです。
(2)ユーザー・管理者ともに利便性が向上
参照:株式会社メタップス「はじめてのSaaS管理」より
SaaS管理ツールを導入すると、SaaSのユーザー・管理者のである社員の利便性も向上し業務を効率化できます。
ユーザーは、シングルサインオン(SSO)機能によって、これまで必要だったSaaSごとのログイン作業が省略され、必要なSaaSにすぐにアクセスできるようになるからです。
たとえば営業部などは、取引先が指定するSaaSで連絡をとるケースがあり、日常的に使わないSaaSはパスワードをすぐに思い出せないこともあるでしょう。
そうしたパスワードを確認する業務から解放されるのは、社員にとっても嬉しいメリットです。
管理者も、アカウントの発行・削除や社員の異動に伴う権限変更の手間を削減できるので業務効率化できます。
(3)セキュリティの強化
参照:株式会社メタップス「はじめてのSaaS管理」より
SaaS管理ツールを使って、複雑なパスワードと多要素認証を設定すれば、セキュリティが強化されます。
直感的に考えると、SaaSごとにログインする方がセキュリティは強いように感じてしまいますが、実際は真逆です。
たとえば、アカウントごとのパスワード管理を社員それぞれに任せていると、パスワードの使いまわしなどが頻発する可能性が高まります。もしくはSaaSごとに割り当てられた複雑なパスワードを、メモやポストイットに書いてしまうかもしれません。
パスワードの使いまわしは、複数のSaaSが同時に不正アクセスされる危険性が増します。パスワードを書いたメモを社員が紛失した場合も、悪意のある第三者の手に渡った場合を考えると危険です。
SaaS管理ツールにてパスワードをひとつにまとめ、メール認証やIP認証など多要素認証を取り入れた方が、セキュリティは格段にアップします。
また、利用状況の可視化や無許可で利用されているSaaSの検出も可能なのでセキュリティ強化に大きく寄与するのです。
SaaS管理のお役立ち情報は「はじめてのSaaS管理」で公開しています。ぜひあわせてご覧ください。
SaaS管理ツールを使用するデメリット
SaaS管理ツールの導入を検討するには、デメリットもきちんと知っておきましょう。
事前に確認しておきたいのは、次の3点です。
- 導入コスト
- 初期登録の手間
- ツールにトラブルがあった際の影響が大きい
それぞれかんたんに解説します。
(1)導入コスト
SaaS管理ツールの使用におけるひとつめのデメリットは、導入にコストが発生することです。
使用しているSaaS数や社員数により、必要なコストは変わります。
状況によっては、休眠中のSaaSを停止し、コストカットできるケースもありますが、利用料に見合うかどうかは確認が必要です。
(2)初期登録の手間
SaaS管理ツールのデメリットとして、導入時の初期登録に手間がかかってしまうことがあげられます。
だれがどのSaaSを使用しているのか、アカウントの棚卸しをして、適切に登録しなければいけません。
社員数が100名を超える大企業などでは、社内で現在稼働しているすべてのSaaSを把握するのは苦労するでしょう。あるいは社員数が数十名程度であっても、使用しているSaaS数が多ければ、全体の把握に時間がかかります。
SaaS管理ツールを必要とする状況であるほど初期登録に手間がかかってしまうのは、大きなデメリットです。
(3)ツールにトラブルがあった際の影響が大きい
SaaS管理ツール導入に関する3つ目のデメリットは、ツールにトラブルがあった際の影響が大きい点です。
社内のSaaSアカウントを一元管理しているツールが使えなくなると、業務が滞る可能性があります。
たとえばシングルサインオン(SSO)を導入している場合、社員は普段ひとつのIDとパスワードですべてのSaaSにログインします。
そんななかSaaS管理ツールのトラブルでシングルサインオン(SSO)が使えなくなれば、各種SaaSへのログインができなくなり、現場は混乱してしまうでしょう。
利便性が向上する反面、使用できなくなった際のリスクが高まることは、SaaS管理ツールのデメリットです。
SaaS管理ツールの選び方
ここでは、SaaS管理ツールの選び方をご紹介します。
複数のツールを比較するなら、次の5点はチェックしておきたいところです。
- 機能の多さ
- 管理画面
- セキュリティ
- 国産かどうか
- 導入コスト
それぞれの詳細を解説します。
(1)機能の多さ
SaaS管理ツールは、そのサービスごとに備わっている機能が違います。
セキュリティの強化や、利用状況とコストの管理など、導入の目的を明確にして機能を比較するとよいでしょう。
下記4つは、具体的な比較ポイントです。
- 対応しているSaaS数
- アカウント情報の連携機能の有無
- コスト管理機能の有無
- セキュリティ強化機能の有無
とくに、対応しているSaaS数に関しては、現在自社で使用しているSaaSをカバーしきれているか、事前にチェックしておきたい項目です。
(2)管理画面
SaaS管理ツールを選ぶ際は、管理画面のわかりやすさも重要です。
使い方が複雑だと、ユーザーである社員がSaaS管理ツールを活用できないかもしれません。ユーザーが管理ツールを使いこなせない場合、情シスなどアカウントを管理する部署にも影響がでます。
社員に対する管理画面のオペレーションが必要になれば、これまでのアカウント管理業務と同様かそれ以上の時間を取られてしまう可能性もあるでしょう。
ユーザーが直感的に操作できるか、情シスがスムーズにアカウント管理業務を実行できるかなど、複数の視点からチェックが必要です。
導入の前にデモ画面を使わせてもらうなどして、管理画面の使いやすさをチェックしておくとよいでしょう。
(3)セキュリティ
SaaS管理ツールは、セキュリティが強いツールを選ぶようにしましょう。
SaaS管理ツールのセキュリティが弱いと、一度で複数のSaaSが不正アクセスの被害にあう可能性があるからです。
不正アクセスを未然に防ぐための多要素認証はあるか、アカウントロックはあるかなど、チェックしておきましょう。
利便性の向上と同時に、セキュリティを強化できるツールを選ぶことをおすすめします。
(4)国産かどうか
SaaS管理ツールを選ぶ際は、国産かどうかも事前にチェックしておきましょう。
おすすめは、日本で作られた国産のSaaS管理ツールです。
国産のツールをおすすめする理由は、3つあります。
- 日本だけで展開されているSaaSにも対応している
- 日本人が使い慣れているデザイン・UI設計になっている
- サポートが完全日本語対応で、きめ細やか
とくに、会計や契約関連など法律に関わるSaaSは、日本で作られたSaaSも多い印象です。
国産のSaaSを使用している場合は、SaaS管理ツールもまた国産を選ぶ方がよいでしょう。
(5)導入コスト
SaaS管理ツールの導入コストは複雑で、単純には比較できません。
使用しているSaaS数や従業員の人数、必要な機能に応じて費用が変わるため、多くのツールは見積もりをとってみるまで正確なコストが把握できない状況です。
なかには利用範囲や期間を限定して、無料で使えるツールもあるものの、有料化した際に安いかどうかを判断するのは難しいでしょう。
複雑な費用体系のなかで正確に比較するには、統一した要件で複数社に見積もりをもらうことをおすすめします。
たとえば、以下の内容を事前に確定した上で、見積もりをとれると比較しやすいです。
- 使用しているSaaSの種類とアカウント数
- 会社の規模(従業員の人数)
- 必要な機能
自社に必要な要件を洗い出し、正確に比較しましょう。
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メタップスクラウドの特徴
最後に、弊社が提供するSaaS管理ツール、「メタップスクラウド」についてご紹介します。
メタップスクラウドの特徴は、次の3つです。
- 利用状況とコストの可視化
- アカウント管理業務の効率化
- セキュリティ強化
それぞれ補足します。
(1)利用状況とコストの可視化
メタップスクラウドの特徴の1つ目は、SaaS利用状況とコストの可視化です。
SaaSの利用状況は、目的にあわせて次のようにチェックできます。
- SaaSごとの管理:SaaSのアカウント数やコスト
- 組織ごとの管理:どの部署がいくつSaaSを使っているか
- 個人ごとの管理:社員一人ひとりがどのSaaSを使っているか
SaaSのアカウント数や稼働状況だけでなく、SaaS利用にどれだけのコストが発生しているのかも確認できます。
これまでエクセルなどを使って管理していたSaaSの状況を、可視化して最適化できる。それがメタップスクラウドの特徴です。
(2)アカウント管理業務の効率化
メタップスクラウド2つ目の特徴は、アカウント管理業務の効率化です。
社員それぞれに必要なSaaSのアカウントを、管理画面上で発行して設定できるため、アカウント発行業務が効率化されます。
また、個人や組織で使用しているSaaSを確認できるため、部署異動でSaaSの権限変更が必要になった際も、作業がしやすくなります。
(3)セキュリティ強化
メタップスクラウドは、アカウント管理の効率化と同時に、セキュリティの強化も実現します。
必要に応じて、以下の制限をかけられます。
- シングルサインオン
- 端末制御
- 端末証明書
- IP制限
- 多要素認証
- アカウントロック
たとえば、オフィスに出社する部署にはIP制限をかけ、リモートワークの社員には多要素認証を取り入れるなど、状況にあわせたカスタマイズが可能です。
多様化する働き方に柔軟に対応しながら、社員の作業効率をアップし、セキュリティも強化できます。

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メタップスクラウド編集部
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